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2012.07.03 20:10
アイロンを使わない縮毛矯正、匠の技、ブロー法?
髪風船の縮毛矯正の特徴はアイロンを使わない、ブロー法にあります。
薬品自体に対する、拘りはありません、まさに適所適剤、適正還元、これに尽きます。
スピエラからシステアミン、もちろんチオ、全て使います。
もちろんそれぞれの特性を知る事から始まりますし、アルカリ、熱等による軟化、膨潤、不必要なアルカリを除いての還元、特にビビリ毛等の修正においては適正な還元と弱酸性、中性、弱アルカリと適正な軟化に非常に神経使うところです。
今回は薬品の解説は置いといて、縮毛矯正の技法の特性を見てみましょう。
縮毛矯正に当然、乾かす工程に、熱を入れる工程が必ず必要となります、その際に、ほとんどの美容室ではアイロンによる、技法を用いるでしょう、また1部ではブロー法と呼ばれるドライヤーによる乾かす技法も使うところもあります。
さてさてその違いはどれほどの物でしょう?まずは実験データーを見てみましょう。
薬剤+物理的操作による損傷実験データ
●実験方法
ー縮毛矯正剤にて45℃30分処理後、水洗。
その後下記の各方法でストレート操作、固定処理後、水洗、仕上げ (基本的縮毛矯正)
原毛と処理後のウエット強度(一般的な傷みの判定で利用します)を測定。
原毛ウエット強度121.5g(50本測定平均値)
JBCアカデミー測定
処理方法 | 原毛 | 1回処理後 | 2回処理後 | 3回処理後 |
薬剤処理後水洗、ブロードライ法にて矯正処理、アイロンを使わない縮毛矯正 | 121.5g | 103.2g | 101g | 75.2g |
原毛を100とした場合の強度比較% | 100% | 85% | 83% | 62% |
薬剤処理後水洗、ドライ後180℃平アイロンにて矯正処理(一般縮毛矯正) | 121.5g | 98.5g | 88.3g | 55.4g |
原毛を100とした場合の強度比較% | 100% | 81% | 73% | 45% |
※傾向としては、縮毛矯正回数、2回目から3回目にかけて急激に強度低下(傷み)が見られます
※ またアイロンを使わない縮毛矯正(Mr.ハビットなど)と高温アイロン矯正(一般的な縮毛矯正)を比較した場合、 アイロン矯正の方が傷みが激しい事が読み取れます。
もちろん実際の現場では前処理としての保護 、傷んだ所の保護及び低刺激の薬品使用など工夫がされると思いますので、 あくまで1つのデータ-としてご覧ください。
(アイロン使用の縮毛矯正を否定する物ではありません、卓越した技術者は薬品の使用法、温度管理、テクニックそれら全てが影響しますので、最終的には薬品技法に関係なく、それを行う技術者次第で大きく左右されると言う事もお知りおきください)
最後に、私見ですが、技法的にはアイロンの方が覚えやすく簡単です。それが多く広まっている要因でしょう。ブロー法は上記の利点は大きく有りますが、そのテンション等において難しいものがあります。しかしその技法を完全マスターする事で相当の利点が生まれ、まさに匠の技となりうる可能性が秘められた技法ではないでしょうか?