脱染剤 、ブリーチ剤を検証する、
まずは、ネット上の皆さんの声から、
明るい髪には飽きたので黒に染めてました。そして、美容院に脱染剤でカラーを落として欲しいと伝えたら、それがブリーチだと言われました。今日、違う美容院で同じ質問をしたら、同じ答えが...別な脱染剤を扱う美容院を探したいのですが、どこも脱染剤と脱色剤の違いが分かって無いんじゃ無いかと思うと探すことに抵抗を感じで来ました。田舎の美容師は違いを分からないんでしょうか?
黒く染めたのを明るくするのにブリーチとは違う脱染剤があるという情報は、かなりの方もご存知かと思いますが、流通している脱染剤は過硫酸塩という酸化助剤にアルカリ剤を加えた物がほとんど、
その実態は、バリバリのハイブリーチ剤だとしたら、、、本当に怖い!髪が傷んでいるアナタ、絶対に使ってはいけませんよ。
脱染剤、ブリーチ剤の検証、その1
PH試験紙でそれぞれのPH(酸性アルカリの状態)を調べます。ブルーがアルカリ、ピンクが酸性
左、過硫酸塩とアルカリ配合の一般的な脱染剤、
中、クリームライトナー(ブリーチ剤)
どちらも2液と混ぜてPH9~10のアルカリ性
右、当店使用アルカリを含んでいない酸性脱染剤、
2液過酸化水素水と混ぜた状態で完全な酸性状態を示しています。
ブリーチ剤及びアルカリ脱染剤の髪に対する悪影響としては、、、アルカリによる膨潤作用と漂白によるメラニン色素たんぱく質の破壊。よくハイブリーチして髪がビビリになったなどと聞きますが、これらが原因です。
金髪状態を黒髪戻しで黒色に、それをアルカリ脱染すると・・・テロテロビビリ?
そこで上記の3種類のブリーチ剤、脱染剤が髪にどう影響するかを次に見てみましょう。
脱染剤、ブリーチ剤、検証する。その2
髪を明るくすると言うのは、、、
髪が持っているメラニン色素を漂白するブリーチと、ヘアカラーなどで黒く染めた色素を取る脱染と言う物があると 理解して下さい。
上記は薬品の酸性、アルカリ性の検証でした、今回はそれを実際に髪に使った場合、どの程度、髪に負担があり(ブリーチを起こす)危険なものかと言う事を見てみましょう。
左は、美容業界で使われている、アルカリ脱染剤
中は、ライトナー一般的なアルカリブリーチ剤
右は、当店で使用している酸性の脱染剤
2液の過酸化水素水はそれぞれ3%使用のタイムは自然放置20分。3%の過酸化水素ですので酸化力は基本弱い
サンプルは黒染めしていない自然毛
左の、業界に出回っているアルカリ脱染剤は、髪のメラニン色素もかなり強力に漂白するという事、ハイ当然傷みます。3%過酸化水素水でコレですからね!(脱染剤と称してハイブリーチ剤です)美容室でハイブリーチする時はこれを使います。
中の、ブリーチ剤は当然ブリーチされていますが、アルカリ脱染剤ほどではありません
右の、酸性脱染剤は髪のメラニン色素の漂白(ブリーチ)はほとんどしません
ブリーチ力に対する 結論:
ネット上で美容師が、脱染剤は人工的な色を取り、脱色剤(ブリーチ剤)はメラニン色素を漂白する、なんて言葉遊びしている意見が山ほどありますが、アルカリが入った脱染剤は普通のブリーチ剤よりはるかに髪のメラニン色素を脱色しているという事。
脱色剤 脱染剤を検証、その3
次に実際のそれぞれのヘアカラー色素に対する脱染剤の能力を見ましょうね。
ご覧の結果になりました。これ私の頭(白髪染めしています)
左の、アルカリ脱染剤は激しく明るくなっています。強力に脱染していると言う事。
中の、ライトナー(ブリーチ剤)は、ほのかに明るくなっています。ほとんど脱染力はない感じ。
右の、酸性脱染料剤はやはり明るくなっていて脱染効果はあります。
ココまでの結論として
●左のアルカリ脱染剤は、
しっかり染料も取ります、その分ブリーチ(メラニン色素の漂白)も強烈にしてしまうと言う事。傷む事確実で、あともハイブリーチ状態になると言う事ですね。(市販されている脱染剤もアルカリ)
●真ん中のブリーチ剤は、
脱染効果は【ない】と言えます、少し明るくはなっていますが、それは【脱染】によるものではなく、2番目の画像を見てもらうと分かるようにブリーチ(メラニン色素の漂白)による感が強い。結果、脱染出来ずにブリーチによる傷みだけ出やすいという事。
●右の酸性脱染剤は、
2番目の画像で確認したように過酸化水素水の濃度を落とすと、ほとんどブリーチを起こす事無く、脱染はしっかりされているという感じです。
一般の方には分かりにくい実験でしたが、
脱染(人工的につけた染料を取る技術)と
脱色(ブリーチ、髪のメラニン色素を漂白して明るくする技術)は別物で、出来る限り別に処理できれば理想だと言う事ですね。